税理士というと、一般的にはとっつきにくいという印象があるようです。
私が見聞きした例では、お客様が話している途中でも話を遮って税理士が話し始めてしまう。
担当者が訪問してくるものの、税理士本人が訪問してきたことがない。
専門用語を並べて説明するので理解できない。
先生然としている、偉そうである、説明が専門的でわかりにくい。
これらの言葉については、我々税理士は謙虚に受け止めなければならないと思っています。
最近では、こういったご批判を謙虚に受け止めて、コミュニケーションが取りやすく、お客様と同じ目線を持つことを心がけている税理士も増えています。
その反面、無愛想で親しみのもてない税理士もまだまだ存在し、その税理士と顧問契約を続けている顧客が存在するのも事実です。
理由は二つあると思います。
一つは、顧客が先生然とした税理士に権威を感じているからだと思います。
税理士の数も少なく、コンピュータも普及していなかった時代、税理士業は職人仕事だったようです。
複雑な会計帳簿をすべて手書きで作成し、算盤で計算して試算表の残高を合わせ、複雑な税法に即した申告書を手書きで作成する。
そのような職人の仕事に威厳を感じて、税理士のとっつきにくさにむしろ権威のようなものを見出してしまう。こういった顧客の心理も分からなくはないです。
もう一つは、長年関与をお願いしているので、不満があっても税理士を変えにくいからというものです。
長年同じ税理士に見てもらっていると、仕事に安心感を覚えたり、会社の見せたくない部分も見せています。だから、横柄な税理士でも割り切って付き合っているという心理です。
どちらも、比較的ご高齢なお客様に見られる事例ではないかと思います。