資本金が1億円以上の法人など(国税局調査部所管の法人といいます)では、実務を行う税理士と別にOB税理士と顧問契約をしている例があります。
このOB税理士のことを二階建て税理士と呼んでいます。
二階建て税理士については、定年間際に税務署を勇退し後進にポストを譲った方が、勇退後に税理士として天下ると説明すると実態がわかりやすいと思います。
二階建て税理士の任期は基本的に2年です。
つまり2年経過すると次のOB税理士と交代します。
その間のOB税理士の仕事は、国税局の担当者と会社の経理部長を引き合わせること。
税務調査の対応。
改正税法の情報が送られてくることもあるようです。
しかし、税務調査は実務家の税理士だけでも十分に対応可能です。
改正税法の内容も、二階建て税理士から新しい情報を頂いたという話を聞いたことありません。
では、なぜ会社は実務を担当しない二階建て税理士と契約するのでしょうか。
理由は、税務調査の時に融通が利くのではないかという会社側の思惑が働くからだと思います。
言葉を換えて説明すると、二階建て税理士を断ると、調査の回数が増えるのではないかという危機感があるのです。
二階建て税理士が本当に税務調査の便宜を図っているのか、あるいは二階建て税理士を断ると税務調査の頻度が増えるのかは定かではありません。
しかし、大手企業のほとんどが、お付き合いとして二階建て税理士を受け入れているのも事実です。